お人よしアメリカ人Sさんの話
04/12/15 12:53 Filed in: パーソナル
Sさんは、ずっと前にBJクラブの講師をしていた。当時は若気の至りで、毎週金曜日の夜、養老乃瀧の100円ビールを一緒に飲み尽くしていた。
今年の9月にアメリカから日本に遊びに来た時に、久々に会ってお酒を一緒に飲んだ。(大人の飲み方で)
先月、また日本に来るという連絡があったので「アメリカで何かあったのか?」と思ったが、航空券が往復450ドル(約5万円)で手に入ったので、またまた来ることにしたそうだ。
そんなSさんは、10日間の滞在中、広島市内のユースホステルに泊まっていた。
そこにイタリア人女性が現れたが、大変困った顔をしていた。彼女は2泊の予約をしていたつもりだったが、1泊分の予約しかとれていなくて、もう1泊分は、ホステルもいっぱいで泊まる事ができないと言う。
そこで人の善いSさんは考えに考えて、自分の泊まるベッドをそのイタリア人女性に譲ってあげる事にした。
ユースホステルは部屋の鍵を防犯上、毎日変えるそうだ。
1泊だけ譲ってあげる日の朝、パジャマみたいな部屋着で受付に行った。用事を済ませて部屋に帰ろうとすると、「もう部屋には入れませんよ。あなたは今日泊まらないから」と受付の人に言われた。
荷物も部屋の中だ。受付の人は、英語は上手な人だから、コミュニケーションの問題ではないようだった。
「10日間も泊まっているのに、それはないだろう?」
ともめている間に、例のイタリア人女性が運よく現れた。「お~。ちょうど良かった!部屋の鍵を開けて!」
部屋を譲ってもらっているにもかかわらず、イタリア人は「え~、私今から行くところがあるのよ」と渋る。
そういえば彼女、部屋を譲ってあげても、お礼も言わなかった。
「私は荷物も置きっぱなしだし、着替えもしなくちゃいけないの!」とそこはアメリカンパワーで押し切り、部屋を開けてもらう。
無事に着替えを済ませ、荷物を持ち、その夜泊まらせてもらう友達の家に行く為に借りた自転車を置いていた所まで歩く。
借りていた自転車の鍵がない…
来た道を、はいつくばりながら戻る。見つからない…
そうこうしている間にランチの約束の時間になる。
走って皆が待つレストランへ行く。冬なのに汗びっしょりだ。
久々の再会で盛り上がる。(頭の片隅では自転車の鍵が渦巻いている)
その日の夜は、結局バスで友達の家へ行く。「鍵はいつもかけていないから、勝手に上がっておいて」と言われる。初めて行く家に上がり込む。誰もいなくて「本当に友達の家なのか?」と不安に思いながら二時間、友達の帰りを待った。自転車の鍵は見つからなかったけれど、持ち主がスペアキーを持っていたので無事に回収できたそうだ。
それにしても、親切な行いをした後、こんな困難に見舞われるなんて…
でも私は思う。
「Sさん、もう見知らぬ人に同じような親切はしてあげないとは思うけど、きっとこの先何か良い事あるよ。ありますように!」
今年の9月にアメリカから日本に遊びに来た時に、久々に会ってお酒を一緒に飲んだ。(大人の飲み方で)
先月、また日本に来るという連絡があったので「アメリカで何かあったのか?」と思ったが、航空券が往復450ドル(約5万円)で手に入ったので、またまた来ることにしたそうだ。
そんなSさんは、10日間の滞在中、広島市内のユースホステルに泊まっていた。
そこにイタリア人女性が現れたが、大変困った顔をしていた。彼女は2泊の予約をしていたつもりだったが、1泊分の予約しかとれていなくて、もう1泊分は、ホステルもいっぱいで泊まる事ができないと言う。
そこで人の善いSさんは考えに考えて、自分の泊まるベッドをそのイタリア人女性に譲ってあげる事にした。
ユースホステルは部屋の鍵を防犯上、毎日変えるそうだ。
1泊だけ譲ってあげる日の朝、パジャマみたいな部屋着で受付に行った。用事を済ませて部屋に帰ろうとすると、「もう部屋には入れませんよ。あなたは今日泊まらないから」と受付の人に言われた。
荷物も部屋の中だ。受付の人は、英語は上手な人だから、コミュニケーションの問題ではないようだった。
「10日間も泊まっているのに、それはないだろう?」
ともめている間に、例のイタリア人女性が運よく現れた。「お~。ちょうど良かった!部屋の鍵を開けて!」
部屋を譲ってもらっているにもかかわらず、イタリア人は「え~、私今から行くところがあるのよ」と渋る。
そういえば彼女、部屋を譲ってあげても、お礼も言わなかった。
「私は荷物も置きっぱなしだし、着替えもしなくちゃいけないの!」とそこはアメリカンパワーで押し切り、部屋を開けてもらう。
無事に着替えを済ませ、荷物を持ち、その夜泊まらせてもらう友達の家に行く為に借りた自転車を置いていた所まで歩く。
借りていた自転車の鍵がない…
来た道を、はいつくばりながら戻る。見つからない…
そうこうしている間にランチの約束の時間になる。
走って皆が待つレストランへ行く。冬なのに汗びっしょりだ。
久々の再会で盛り上がる。(頭の片隅では自転車の鍵が渦巻いている)
その日の夜は、結局バスで友達の家へ行く。「鍵はいつもかけていないから、勝手に上がっておいて」と言われる。初めて行く家に上がり込む。誰もいなくて「本当に友達の家なのか?」と不安に思いながら二時間、友達の帰りを待った。自転車の鍵は見つからなかったけれど、持ち主がスペアキーを持っていたので無事に回収できたそうだ。
それにしても、親切な行いをした後、こんな困難に見舞われるなんて…
でも私は思う。
「Sさん、もう見知らぬ人に同じような親切はしてあげないとは思うけど、きっとこの先何か良い事あるよ。ありますように!」