波乱続きの旅
11/05/15 15:49 Filed in: パーソナル
GWはバルセロナに行った。
波乱続きの旅だった。
チャプター1 出発前のスーツケース事件
出発が土曜日早朝であった為、一週間前の週末にすでにほぼパッキングを終了。
やっぱり私は準部万端な女、と心で自画自賛している時に美和ちゃんが私に言った。
そのスーツケースって二泊用のじゃない?気づかなかった。
出発10分前に慌てて大きい方のスーツケースに入れ替えた。

チャプター2 乗り換え空港でのダブルトラブル
ヨーロッパへ着いて一旦国内線に乗り換える為、出国する必要があった。
スーツケースを受け取りバルセロナ行きはどこか、怖そうな警備員に教えてもらい、チェックインカウンターへ。自動機でチェックイン後、これまたセルフサービスでスーツケースを預ける手続きをする。荷物が重量オーバーなので30ユーロ払え、と機械が言う。
払ってなるものかと係りの人に詰め寄る。じゃああのカウンターに行け、と言われ若干喉がかわきながら事情を説明する。
すんなり追加料金なしで受け取ってくれた。じゃあさっきのはなんだったの?と聞くと、わからな~い、と陽気に答える。

まあいっか、と出国手続きに進む。
保安検査でひっかかったのは成田で買った美和ちゃんの日焼け止めクリーム。
チェックインしなおしてスーツケースに入れなおすか、破棄するか、選択をせまられた。
まず私はこれは成田の免税店で買ったんだ。高かったんですよ~。
係りの人が、いやどうしようもないね~。
私たち、帰りにこの国に戻ってくるんですよ~。どうかお願い、お願い。
そして美和ちゃんのとどめのセリフ。私達は遥々24時間かけてここまできたの。(24時間もかかってはいない)お願い。
Ok.
お許しがでた。
気が変わらないうちにお礼を言い、クリームを手にしっかり握りしめて足早にその場を去った。
チャプター3 スリ事件

出発前に皆から、治安大丈夫?と心配された。
飛行機のキャビンアテンダントに、どこ行くの?って聞かれ、バルセロナと言うと、僕はスリを目の前でみたよ、気をつけてねっと言われた。

空港に着いてまず宿泊先に電話をする必要があった
アパートメントに泊まるので、広くてお値段も手ごろでロケーションも良い代わりに、ホテルのように常にお世話をしてくれる人はいなくて、今から行くと言うと係りの人が鍵を開けに来てくれるというシステムだ。
手間を惜しまなければお勧めだ。
空港には幸いwifiが繋がったので、フェイスタイムで電話をかけることができた。
タクシーで宿泊先に着いた。
スーツケースをゴロゴロしながら入り口数メートルの所で、おっさんが声をかけてきた。
これだ!スリだ!
話しかけたりぶつかった振りをしながら、財布をスルのだ!
私達はそのおっさんを思いっきり無視して早足でドアまで行った。
がしかし、そのドアは開かなかった。
そしてまたそのおっさんが近づいて来て、美和ちゃんのなまえを呼んだ。
その人は、そのアパートメントの係りの人だった。
謝りながら笑いが止まらず、皆んなで大笑いした。
チャプター4 サグラダファミリア事件

建築や美術に全く興味がない私でも、胸を打たれた。感動の協奏曲が胸の中を駆け巡る。
私は抑えきれない気持ちを言葉にした。これを設計して魂を注いだアンディガルシオって、元はただ普通の家の子だったんだよね。凄いね。美和ちゃんは言った。アントニ ガウディでしょ、と。似てるけど全く別人だ。アンディはゴッドファーザーにでてくる俳優だった。

チャプター 5 飛んできそうな洗濯機
アパートメントで洗濯をしようと、説明書を読むが、実物と説明がかみあわない。
諦めて、勘で操作をする。
幸いゴロゴロと回り出したが、中身ごと飛び出して来そうな音が続く。
やっと終わって洗濯物を出そうとすると、扉が開かない。
扉は元々壊れていたので、この紐をひっぱってね、と言われていた。
その紐は一歩間違えると、切れてしまいそうな、頼りない紐だった。
その紐だけは切らしてはならない。
慎重に真っ直ぐ引っ張ったり、斜めにひっぱったりする。
それでも扉は開かない。

またあの係りの人に電話して、30分くらい待たなければならないのか?
洗濯物を見られてしまうのか?
色々な思いが頭の中を駆け巡った。
電話をする前にもう1度だけ、と思い紐を引っ張った。
カタッと小さな音を立てて扉は開いた。
洗濯機の扉が開いてこんなに嬉しかったのは、生まれて初めてだった。
チャプター6 スペインのワイン

食事は殆どバルでとった。
小さなお皿で出てくるので、色々な物を食べることができる。イカ、タコ、貝、サラダ、タラ、白ワインに合う料理が多い。
ちょっと高めだな、とグラスワインを注文しようと思い、店員さんに聞いてみると、それはグラスの値段ではなく、ボトルの値段だと説明してくれた。
飲んべえにはたまらない国、スペインだった。

チャプター 7 スペインについて

シエスタやスリのことばかり聞いていたので、印象が全く違った。
怖そうだったり、危なそうな人には一度も遭遇しなかった。
スペインの人は、意外にも楽しそうにシャキシャキと働いていた。

百聞は一見に如かず
チャプター 8 道案内人
アムステルダムで乗り換えだったので、そこで一泊した。
調べると街までタクシーで50ユーロもかかるので、電車で行くことにした。
5ユーロですんだ。
駅からホテルまでタクシーに乗ろうとしたら、近いから歩け、と乗せてくれなかった。
指差された方向へスーツケースをガラガラいわせながら歩くがよくわからない。
地元の人らしい人に聞いてもわからないと言われた。
そこへ1人のおじさんが、どこいくの?と声をかけてくれた。
ホテルまで案内してくれた。そしてチップくれたら嬉しいな、と。。。。
そういうことか、2ユーロ渡すと嬉しそうに帰っていった。
複雑な気持ちがした。

チャプター 9 最終日の悪夢
キャナルクルーズの後、この旅最後の食事に出かけた。
美味しい食事とワイン、会話を楽しみ、お会計をしようとカードをだした。
今回の旅は、治安面で不安だったので、二人で五万円の現金しかもっていかなかった。思わずお酒が安かったので、最終日までの食事、交通費、雑費を賄うことができた。お土産と足りない分はカードで支払いをしようと始めから決めていた。
感じの良いウェイトレスは明るく、ビザはダメ、と言った。じゃあマスターで、というとマスターもダメ、と言った。
えっ?こんな景色の良いリバーサイドの観光地で?耳を疑った。
心を落ち着かせるため、一度トイレに行った。
よしっ、どうにかこの窮地を乗り越えなくては。
私はウェイトレスに、んじゃあ、どうしたらいいかな?
ATMでおろしてくるといいよ、と言って店の外まで出て指差して教えてくれた。

心細そうな美和ちゃんを置いて、まずは豚の看板の下まで走った。それらしき物はない。豚の看板の下はドラッグのお店(アムステルダムではマリファナは合法だそうだ)で怖かったので、反対側にあるマルボーロの看板の下まで走る。絶望的なout of order故障中、の文字が目に飛び込んできて、くらっとする。また走ってレストランの前を通り、大丈夫必ず迎えに来るから、と美和ちゃんにボディランゲッジで伝え、宿泊先のホテルの受付で、ATMのありかを聞く。話しが終わるか終わらないうちに走り始める。あった。カードを入れてボタンを押す。お金が出てこない。頭をかきむしりながらお店の人に事情を説明する。見守ってもらいながら、もう1度やってみる。お金が出てこない。たぶん中に現金がないんだろう、チャージはされないから大丈夫。駅にもあるよ。。と教えてくれる。
そこで私はふと思い出した。その朝の美和ちゃんとの会話を。
このオレンジの小銭入れ、何がはいってるの?一万円だよ。へ~。そんなに~。
私はまたまた全速力でホテルの部屋まで駆けた。
セーフティボックスを震える手であけ、オレンジの小銭入れを握りしめた。
フロントであまりよくないレートで一万円をユーロへ換金。
それからまた全速力で、レストランへ。
ユーロを握りしめて、右手を突き上げ、もってきたよー、とウエイトレスにアピール。
支払いを済ませると同時に、顔中にブツブツが広がった。
やっと帰れると、嬉しそうな美和ちゃんに、あなたのお金を勝手に換金しました、とすぐには言えなかった。

顔中にできたブツブツは、すぐにひいた。
ほろ酔い気分もとっくの昔にひいていた。
波乱続きの旅だった。
チャプター1 出発前のスーツケース事件
出発が土曜日早朝であった為、一週間前の週末にすでにほぼパッキングを終了。
やっぱり私は準部万端な女、と心で自画自賛している時に美和ちゃんが私に言った。
そのスーツケースって二泊用のじゃない?気づかなかった。
出発10分前に慌てて大きい方のスーツケースに入れ替えた。

チャプター2 乗り換え空港でのダブルトラブル
ヨーロッパへ着いて一旦国内線に乗り換える為、出国する必要があった。
スーツケースを受け取りバルセロナ行きはどこか、怖そうな警備員に教えてもらい、チェックインカウンターへ。自動機でチェックイン後、これまたセルフサービスでスーツケースを預ける手続きをする。荷物が重量オーバーなので30ユーロ払え、と機械が言う。
払ってなるものかと係りの人に詰め寄る。じゃああのカウンターに行け、と言われ若干喉がかわきながら事情を説明する。
すんなり追加料金なしで受け取ってくれた。じゃあさっきのはなんだったの?と聞くと、わからな~い、と陽気に答える。

まあいっか、と出国手続きに進む。
保安検査でひっかかったのは成田で買った美和ちゃんの日焼け止めクリーム。
チェックインしなおしてスーツケースに入れなおすか、破棄するか、選択をせまられた。
まず私はこれは成田の免税店で買ったんだ。高かったんですよ~。
係りの人が、いやどうしようもないね~。
私たち、帰りにこの国に戻ってくるんですよ~。どうかお願い、お願い。
そして美和ちゃんのとどめのセリフ。私達は遥々24時間かけてここまできたの。(24時間もかかってはいない)お願い。
Ok.
お許しがでた。
気が変わらないうちにお礼を言い、クリームを手にしっかり握りしめて足早にその場を去った。
チャプター3 スリ事件

出発前に皆から、治安大丈夫?と心配された。
飛行機のキャビンアテンダントに、どこ行くの?って聞かれ、バルセロナと言うと、僕はスリを目の前でみたよ、気をつけてねっと言われた。

空港に着いてまず宿泊先に電話をする必要があった
アパートメントに泊まるので、広くてお値段も手ごろでロケーションも良い代わりに、ホテルのように常にお世話をしてくれる人はいなくて、今から行くと言うと係りの人が鍵を開けに来てくれるというシステムだ。
手間を惜しまなければお勧めだ。
空港には幸いwifiが繋がったので、フェイスタイムで電話をかけることができた。
タクシーで宿泊先に着いた。
スーツケースをゴロゴロしながら入り口数メートルの所で、おっさんが声をかけてきた。
これだ!スリだ!
話しかけたりぶつかった振りをしながら、財布をスルのだ!
私達はそのおっさんを思いっきり無視して早足でドアまで行った。
がしかし、そのドアは開かなかった。
そしてまたそのおっさんが近づいて来て、美和ちゃんのなまえを呼んだ。
その人は、そのアパートメントの係りの人だった。
謝りながら笑いが止まらず、皆んなで大笑いした。
チャプター4 サグラダファミリア事件

建築や美術に全く興味がない私でも、胸を打たれた。感動の協奏曲が胸の中を駆け巡る。
私は抑えきれない気持ちを言葉にした。これを設計して魂を注いだアンディガルシオって、元はただ普通の家の子だったんだよね。凄いね。美和ちゃんは言った。アントニ ガウディでしょ、と。似てるけど全く別人だ。アンディはゴッドファーザーにでてくる俳優だった。

チャプター 5 飛んできそうな洗濯機
アパートメントで洗濯をしようと、説明書を読むが、実物と説明がかみあわない。
諦めて、勘で操作をする。
幸いゴロゴロと回り出したが、中身ごと飛び出して来そうな音が続く。
やっと終わって洗濯物を出そうとすると、扉が開かない。
扉は元々壊れていたので、この紐をひっぱってね、と言われていた。
その紐は一歩間違えると、切れてしまいそうな、頼りない紐だった。
その紐だけは切らしてはならない。
慎重に真っ直ぐ引っ張ったり、斜めにひっぱったりする。
それでも扉は開かない。

またあの係りの人に電話して、30分くらい待たなければならないのか?
洗濯物を見られてしまうのか?
色々な思いが頭の中を駆け巡った。
電話をする前にもう1度だけ、と思い紐を引っ張った。
カタッと小さな音を立てて扉は開いた。
洗濯機の扉が開いてこんなに嬉しかったのは、生まれて初めてだった。
チャプター6 スペインのワイン

食事は殆どバルでとった。
小さなお皿で出てくるので、色々な物を食べることができる。イカ、タコ、貝、サラダ、タラ、白ワインに合う料理が多い。
ちょっと高めだな、とグラスワインを注文しようと思い、店員さんに聞いてみると、それはグラスの値段ではなく、ボトルの値段だと説明してくれた。
飲んべえにはたまらない国、スペインだった。

チャプター 7 スペインについて

シエスタやスリのことばかり聞いていたので、印象が全く違った。
怖そうだったり、危なそうな人には一度も遭遇しなかった。
スペインの人は、意外にも楽しそうにシャキシャキと働いていた。

百聞は一見に如かず
チャプター 8 道案内人
アムステルダムで乗り換えだったので、そこで一泊した。
調べると街までタクシーで50ユーロもかかるので、電車で行くことにした。
5ユーロですんだ。
駅からホテルまでタクシーに乗ろうとしたら、近いから歩け、と乗せてくれなかった。
指差された方向へスーツケースをガラガラいわせながら歩くがよくわからない。
地元の人らしい人に聞いてもわからないと言われた。
そこへ1人のおじさんが、どこいくの?と声をかけてくれた。
ホテルまで案内してくれた。そしてチップくれたら嬉しいな、と。。。。
そういうことか、2ユーロ渡すと嬉しそうに帰っていった。
複雑な気持ちがした。

チャプター 9 最終日の悪夢
キャナルクルーズの後、この旅最後の食事に出かけた。
美味しい食事とワイン、会話を楽しみ、お会計をしようとカードをだした。
今回の旅は、治安面で不安だったので、二人で五万円の現金しかもっていかなかった。思わずお酒が安かったので、最終日までの食事、交通費、雑費を賄うことができた。お土産と足りない分はカードで支払いをしようと始めから決めていた。
感じの良いウェイトレスは明るく、ビザはダメ、と言った。じゃあマスターで、というとマスターもダメ、と言った。
えっ?こんな景色の良いリバーサイドの観光地で?耳を疑った。
心を落ち着かせるため、一度トイレに行った。
よしっ、どうにかこの窮地を乗り越えなくては。
私はウェイトレスに、んじゃあ、どうしたらいいかな?
ATMでおろしてくるといいよ、と言って店の外まで出て指差して教えてくれた。

心細そうな美和ちゃんを置いて、まずは豚の看板の下まで走った。それらしき物はない。豚の看板の下はドラッグのお店(アムステルダムではマリファナは合法だそうだ)で怖かったので、反対側にあるマルボーロの看板の下まで走る。絶望的なout of order故障中、の文字が目に飛び込んできて、くらっとする。また走ってレストランの前を通り、大丈夫必ず迎えに来るから、と美和ちゃんにボディランゲッジで伝え、宿泊先のホテルの受付で、ATMのありかを聞く。話しが終わるか終わらないうちに走り始める。あった。カードを入れてボタンを押す。お金が出てこない。頭をかきむしりながらお店の人に事情を説明する。見守ってもらいながら、もう1度やってみる。お金が出てこない。たぶん中に現金がないんだろう、チャージはされないから大丈夫。駅にもあるよ。。と教えてくれる。
そこで私はふと思い出した。その朝の美和ちゃんとの会話を。
このオレンジの小銭入れ、何がはいってるの?一万円だよ。へ~。そんなに~。
私はまたまた全速力でホテルの部屋まで駆けた。
セーフティボックスを震える手であけ、オレンジの小銭入れを握りしめた。
フロントであまりよくないレートで一万円をユーロへ換金。
それからまた全速力で、レストランへ。
ユーロを握りしめて、右手を突き上げ、もってきたよー、とウエイトレスにアピール。
支払いを済ませると同時に、顔中にブツブツが広がった。
やっと帰れると、嬉しそうな美和ちゃんに、あなたのお金を勝手に換金しました、とすぐには言えなかった。

顔中にできたブツブツは、すぐにひいた。
ほろ酔い気分もとっくの昔にひいていた。