TOEIC受験日の大迷惑

友人に誘われ、では私も、とTOEICを受験することにした。
レッスンでTOEICを教えていたので、自宅学習は特にしなかった。
人に教える為には200%、どこからのジャブ(質問)にも答えられるように準備をする為、自分の為の試験勉強より熱が入る。
1時間のレッスンに、1時間かけて準備をする。感覚でわかっている答えが、理論づけて説明できるようになる。
結果、かなり身に付く事となる。

試験は休みの日の朝で、その日は体調が悪かった。珍しく風邪をひいたようだった。
どうしようか? 受験やめようか? と思ったが、受験料を払っていたし、みんなが「一緒に行こう!」と言ってくれたので、行くことにした。

美和ちゃん、りえさん、敦子さん、ますみさんが一緒に受験をした。
その中で運悪く、美和ちゃんと敦子さんは私と一緒の教室での受験だった。

リスニング中は調子が良かった。ライティングになり、少し咳がでてきた。問題を解き終わると同時に咳込んだ。迷惑になるので、外に出ようかと思ったが、激しい咳は止まったし、監督者に席を離れたい、というやりとりも周りに迷惑をかけそうなので、念のため持って行っていた飴を口に放り込み、そのまま教室に留まり、見直しをした。
終わると同時に、美和ちゃんがやつれた顔をして、私のところへやってきた。どうやら、私の咳が気になってテストに集中できなかったらしい。悪いことをした。美和ちゃんは私の咳のせいで、前回の結果よりも点数が下がっていた。

皆に大迷惑をかけた私の点数は、980と高得点だった。
私の結果を聞き、その日テストを一緒に受けた皆から一斉に顰蹙(ひんしゅく)をかったことは、言うまでもない。
その日以来、誰もTOEICを一緒に受けよう、と誘ってくれない。それどころか、あの受験仲間でTOEICの言葉が出る度に責められ続けている。

風邪をひいた時には、試験は放棄するというのが賢明なようだ。