極貧生活

カナダに留学する時、岩田屋時代にケチケチ生活に徹し貯金したお金が全部で200万円位あった。2年間の授業料が120万円で残ったお金は80万円だった。

私は無謀にも、その80万円で2年間を乗り切ろうとしていた。1年間で40万円、1ヶ月で3万3千3百円の生活費ということになる。そこからJacquiとBettyが格安にしてくれた家賃と、食費2万円を支払うとお小遣いは1万3千3百円だった。

自転車は思い切って買ったが、その他の無駄遣いは一切しなかった。2年間洋服も、下着すら買わなかった。

当時の写真を見てみた。

Jacquiが仕事場でもらってきたモルソンドライ(ビールの名前)のTシャツと色褪せてのびのびになった黒いショーツをはき、私は誇らしげに写真に収まっている。モルソンドライのTシャツは、バーで大音量の音楽がかかっている時、自分の着ているTシャツをまたまた誇らしげに指差せば、ウエイトレスが注文を遠くからでも分かってくれた。とても便利でお気に入りの一枚だった。

結局帰国三ヶ月前くらいに私のお金は底をついた。(当たり前だ)
その時両親に初めて甘えた。両親は余るくらいのお金を送ってきてくれた。
あの時餓死せず、無事カレッジを卒業し帰国の途につけたのも全て両親あってのことだ。心から感謝している。